士幌町の橋梁長寿命化修繕計画
背景
士幌町が管理する道路橋は平成26年3月現在で全197橋(長寿命化修繕計画における策定数は全201橋)あり、その大半は高度経済成長期(1955年~1973年)以降に建造されてきたものとなっています。このうち、建設後50年を経過する高齢化した橋梁数の割合は、現在のところ全体の約3%程度に過ぎませんが、30年後には、この割合が約70%以上を占め、高齢化した橋梁が急速に増大するという調査結果が得られています。これにより、多くの橋梁では、経年劣化に伴う損傷や不具合が発生する可能性が増え、それらは交通の安全を脅かすことにつながっていきます。

目的
橋梁管理者(国や地方公共団体等)は、道路使用者に対して、交通の安全を確保することを第一として管理を行っています。しかし、昨今における橋梁の高齢化や財政状況を踏まえると、持続的な道路整備・橋梁管理を行っていくためには、合理的、効率的、経済的な維持管理体制が求められています。
そこで、先に述べられている背景や現状に対応するため、国では新たに「長寿命化修繕計画策定事業」を制度化し、橋梁管理者に対して実施勧告を行っています。
長寿命化修繕計画とは、今後老朽化する橋梁数の増大に対応するため、従来の事後的な修繕及び架替えから予防的な修繕及び計画的な架替えへの転換を図るとともに、橋梁の長寿命化並びに橋梁の修繕及び架替えに係る費用の縮減を図りつつ、地域の道路網の安全性、信頼性を確保することを目的としています。
概要
長寿命化修繕計画策定事業の流れは、以下をご覧ください。

橋梁点検
健全度の把握の基本的な方針
管理橋梁を対象とした定期点検を『道路橋に関する基礎データ収集要領(案)』に基づいて行い、各橋梁の損傷状況を把握するとともに、道路機能を阻害する損傷、第三者被害を及ぼす可能性のある損傷を早期に把握する。
日常的な維持管理に関する基本的な方針
橋梁を良好な状態に保つため、日常的な維持管理として、パトロール、清掃などの実施を行う。
橋梁点検結果
士幌町では、平成24年度(2012年)までに、管理する全197橋の橋梁点検が終了しております。点検された橋梁の中には、通行止め、交通規制等の緊急対策を要する橋梁はありませんでした。
橋梁長寿命化修繕計画策定
基本方針
・橋梁のおかれた環境条件等から損傷に対する事前予測や劣化予測を行い、予防的な修繕等の実施を徹底することにより、修繕・架替えに係る事業費の大規模化及び高コスト化を回避し、トータルコストの縮減を図る。
・損傷が発生してから対応する事後保全型の管理から、劣化の進行を予測して適切な修繕を行う予防保全型の管理の転換を図る。
・計画的、効率的管理の推進による更新時期の平準化とコスト最小化を図る。
・詳細点検結果に基づく橋梁の健全度把握及び損傷状況に応じて橋梁長寿命化修繕計画を
見直す。
対象橋梁
|
1級町道
|
2級町道
|
その他町道
|
合 計
|
全管理橋梁数 |
25
|
56
|
116
|
197※1
|
|
うち計画策定対象橋梁数 |
29
|
56
|
116
|
201※2
|
|
|
うちH25年度計画策定橋梁数 |
29
|
56
|
116
|
201※2
|
※1~ 所管橋梁数は全197橋。※2~1級町道に架かる4橋が車歩道分離橋扱いのため、策定上は全201橋。 |
策定結果
士幌町では、平成25年度(2013年)において、管理する全197橋(長寿命化修繕計画における策定数は全201橋)を対象とした長寿命化修繕計画の策定を行いました。過去に実施された橋梁点検結果を取りまとめた下表-1によると、「点検健全度1および2」に該当する橋梁は38橋を有し、損傷が著しいことから、策定を行う上で優先的に修繕対象として検討を行いました。一方で、「点検健全度3~5」に該当する橋梁は163橋を有し、損傷は中度~低度であることから経過観察を基本としますが、橋梁点検結果によっては修繕対象として検討を行いました。以上より、今後10年間の長寿命化修繕計画では、損傷の著しい橋梁に加えて、橋梁および路線の重要性、修繕の優先順位等の諸条件について総合的に策定した結果、28橋の修繕工事を実施していく予定となりました。
表-1 現在の管理橋梁数

今後の予定
今後は、町民の皆様が安全に道路施設を利用していただけるよう、修繕計画を基本として、平成27年度(2015年)から順次修繕工事を実施していく予定となっております。なお、これ以外の橋梁においても、定期点検等において著しい損傷の進展が確認された場合には、対策等を検討します。
