○士幌町環境基本条例

平成19年3月12日

条例第11号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策(第7条―第27条)

第3章 地球環境保全のための施策(第28条・第29条)

第4章 環境審議会(第30条―第34条)

第5章 補則(第35条)

附則

私たちのまち「士幌町」は、広大な十勝平野の北部、大雪山国立公園の東山麓に位置し、先人達が幾多の山火事から守り育ててきた東ヌプカウシヌプリ、その山麓に広がる士幌高原を有し、音更川、士幌川、居辺川が緑豊かな大地を流れています。

先人たちは、うっそうと広がった昼なお暗い原生林を切り拓き、卓越した知恵と住民の努力によって、農業を基幹産業として林業、商工業などの産業を発展させ、現在では全国でも有数の農業のまちとなりました。

しかし、今日の発展を支えてきた経済活動による大量生産、大量消費、大量廃棄は私たちを取り巻く環境に様々な影響を及ぼし、生命の基盤である地球環境にも及んでいます。

私たちは、この恵み豊かな環境と先人の偉業を自分のものとして受け取るだけでなく、世代を越えて引き継ぎ、また創造していかなければなりません。

そのためには、士幌町に住む町民一人ひとりが社会活動を通じ、環境に配慮したやさしい行動に改め、環境への負荷の少ない社会を創り上げていくことが必要です。

私たちは、このような認識のもと、町、事業者及び町民等が一体となって互いの協働により、士幌町の良好な環境を保全し、並びに創造し、持続可能な循環型社会を実現するために、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、士幌町の良好な環境の保全並びに快適な環境の維持及び創造(以下「環境の保全及び創造」といいます。)について、基本的な考え方を定め、町、事業者及び町民等の責任と義務を明らかにするとともに、協働により環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、現在及び将来の町民が健康で文化的な生活を営む上で必要とする良好な環境を確保することを目的とします。

(用語の意味)

第2条 この条例においての用語の意味は、次のとおりです。

(1) 町民等 町内に居住し、滞在し、若しくは勤務し、又は町内を通過する者及びそれらの者で構成する民間の団体をいいます。

(2) 事業者 町内において事業活動を行う者をいいます。

(3) 協働 町、事業者及び町民等が相互の理解と信頼の下に、目的を共有し、積極的に連携し協力することによって、地域の公共的課題の解決に取り組むことをいいます。

(4) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいいます。

(5) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含みます。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除きます。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及び生育環境を含みます。)に係る被害が生ずることをいいます。

(6) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに、町民等の健康で文化的な生活の確保に貢献するものをいいます。

(基本的な考え方)

第3条 環境の保全及び創造は、町、事業者及び町民等がそれぞれの役割分担の下に協働で自主的かつ積極的に進められなければなりません。

2 環境の保全及び創造は、人と自然が共生し、環境への負荷の少ない社会を創り上げることを目的として取り組まなければなりません。

3 環境の保全及び創造は、町民等が健康かつ安全で文化的な生活を営む上で必要とする良好で快適な環境を確保し、これを次世代に引き継ぐように適切に進められなければなりません。

4 地球環境保全は、人類共通の課題であることを認識し、地域の事業活動及び日常生活において自らの問題としてとらえ、国際的な協力の下に推進されなければなりません。

(町の責任と義務)

第4条 町は、前条に定める基本的な考え方(以下「基本的な考え方」といいます。)に基づき、環境の保全及び創造に関する施策を策定し、実施しなければなりません。

2 町は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、実施するに当たっては、環境の保全及び創造に配慮し、環境への負荷の低減に率先して努めるとともに、事業者及び町民等との協働を図るようにしなければなりません。

(事業者の責任と義務)

第5条 事業者は、基本的な考え方に基づき、その事業活動を行うに当たっては、環境の保全及び創造に配慮するために必要な対応を行うよう努めます。

2 事業者は、その事業活動に関し、環境に与える影響を認識し、自ら環境への負荷の低減に努めるとともに、町が実施する環境の保全及び創造に関する施策への協力に努めます。

(町民等の責任と義務)

第6条 町民等は、基本的な考え方に基づき、その日常生活において、環境に与える影響を認識し、自ら環境への負荷の低減に努めるとともに、町が実施する環境の保全及び創造に関する施策への協力に努めます。

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策

(施策の基本方針)

第7条 町は、基本的な考え方の実現を図るため、次の基本方針に基づく環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進しなければなりません。

(1) 大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素を良好な状態に保持することにより、町民等の健康を保護し、及び安全で快適な生活環境を確保します。

(2) 森林、緑地、水辺等における多様な自然環境の保全を図ることにより、野生生物の種の保存をはじめ生態系の多様性の確保に努め、人と自然が健全に共生することのできる良好な環境を確保します。

(3) 人と自然との豊かなふれあいが保たれ、良好な景観並びに歴史や文化とが調和した快適な環境を確保します。

(4) 廃棄物の減量及び適正な処理、資源の循環的利用並びに再生可能エネルギーの有効活用を図り、環境への負荷の少ない循環型社会を創り上げます。

(5) 地球環境保全に役立つ施策を推進します。

(6) 環境の保全及び創造が、町、事業者及び町民等の公平な役割分担と協働のもとに実施されるよう自主的な参加の推進を図ります。

(環境基本計画の策定)

第8条 町長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「環境基本計画」といいます。)を定めなければなりません。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めます。

(1) 環境の保全及び創造に関する長期的な目標

(2) 環境の保全及び創造に関する基本的施策

(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 町長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ第30条に規定する士幌町環境審議会の意見を聴くとともに、事業者及び町民等の意見を反映することができるよう必要な手続を行わなければなりません。

4 町長は、環境基本計画を策定したときは、速やかに公表しなければなりません。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更についても同様とします。

(環境基本計画の管理)

第9条 町長は、環境の保全及び創造に関する施策の実施状況を明らかにするため、その概要を公表しなければなりません。

(規制等の措置)

第10条 町は、公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の対応を行うものとします。

2 前項に定めるもののほか、町は、人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障となる行為に対して、必要があると認めるときは、規制、指導、助言及びその他の対応を行うことができます。

(事業者との協定等の締結)

第11条 町長は、事業活動に伴う環境への負荷の低減を図るために必要があるときは、事業者との間で環境への負荷の低減に関する協定を締結するものとします。

(経済的措置)

第12条 町は、事業者及び町民等が環境への負荷の低減並びに環境の保全及び創造に役立つ対応を促す必要があると認めたときは、適正な助成又はその他の対応を行うよう努めます。

2 町は、事業者及び町民等が自ら環境への負荷の低減に努めるよう、事業者及び町民等に適正かつ公平な負担を求めることができます。

(環境の保全及び創造に関する施設の整備等)

第13条 町は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設その他の環境の保全に関する公共施設の整備を図るため、必要な対応を行います。

2 町は、公園、緑地その他の公共施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のため、必要な対応を行います。

3 町は、緑化の推進、身近な自然環境と個性を活かした景観の確保その他、潤いと安らぎのある快適環境を創造するため、必要な対応を行います。

(廃棄物の発生の抑制と減量及び資源の循環的利用の推進)

第14条 町は、環境への負荷の低減を図るため、廃棄物の処理の適正化を推進するとともに、町が行う施設等の建設、維持管理その他の事業の実施に当たっては、廃棄物の減量化、資源の循環的利用及び再生可能エネルギー等の有効利用に努めます。

2 町、事業者及び町民等は、環境への負荷の低減を図るため、事業者及び町民等による廃棄物の発生の抑制と減量、資源の循環的利用及びエネルギー等の有効利用に努めます。

3 町、事業者及び町民等は、環境への負荷の低減に役立つ製品等の利用が促進されるよう努めます。

(野生生物の保護管理)

第15条 町、事業者及び町民等は、野生生物の多様性を損なうことなく適正に保護管理するため、その生息環境等を保全するよう努めます。

(森林、緑地及び農地の保全)

第16条 町、事業者及び町民等は、人と自然とが共生できる基盤として緑豊かな環境を形成し、維持するため、森林、緑地及び農地の保全、緑化の推進等に努めます。

(水環境の保全)

第17条 町、事業者及び町民等は、河川及び地下水等における良好な水環境の適正な保全に努めるとともに、健全な水環境及び安全な水の確保のために必要な対応を行います。

(景観の保全と活用)

第18条 町、事業者及び町民等は、地域の自然環境と特性を活かした景観等を保全するとともに、その活用に努めます。

(環境美化の促進と意識の高揚)

第19条 町は、環境美化の促進及びその意識の高揚を図るとともに、潤い、安らぎとゆとりのある快適環境を創造するため、必要な対応を行います。

2 事業者及び町民等は、潤い、安らぎとゆとりのある快適環境の創造に努めます。

(循環型農業の推進)

第20条 町は、環境への負荷の低減と安全で安心な信頼のおける農畜産物の生産を図るため、飼料、農薬及び肥料等の適正な使用と生産履歴の記帳等を踏まえた農業が推進されるよう必要な対応に努めます。

2 町は、農業や事業活動から生ずる廃棄物が適正に処理され、循環的に利用されるよう必要な対応に努めます。

3 事業者及び町民等は、前2項の取り組みに役立つ農業技術の導入に努めます。

(環境の保全及び創造に関する教育及び学習の推進)

第21条 町は、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の推進により、事業者及び町民等が環境の保全及び創造について理解を深めるよう必要な対応を行います。

2 町は、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の推進により、事業者及び町民等が環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲が増進されるよう必要な対応を行います。

3 前2項の場合において、町は、特に児童・生徒の学習を積極的に推進するために必要な対応を行うよう努めます。

(自発的な活動の促進)

第22条 町は、事業者及び町民等が自発的に行う環境の保全に関する活動が促進されるように必要な対応を行います。

(情報の収集及び提供)

第23条 町、事業者及び町民等は、協働して環境への負荷の低減を図るために、環境の現況その他環境の保全及び創造に関する必要な情報を収集し、相互に提供し共有できるよう努めます。

(調査研究体制の整備)

第24条 町は、的確な環境の状況の把握、環境施策等に必要な調査及び研究を実施するため、監視、測定、試験及び検査の体制整備に努めます。

(財政上の措置)

第25条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するため、必要な財政上の対応を行うよう努めます。

(推進体制の整備)

第26条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、必要な体制を整備します。

(国及び他の地方公共団体との協力)

第27条 町は、環境の保全及び創造を図るために広域的な取り組みを必要とする施策について、国、北海道及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めます。

第3章 地球環境保全のための施策

(地球環境保全に役立つ施策の推進)

第28条 町、事業者及び町民等は、地球環境の保全のため、地球温暖化の防止、オゾン層の保護等に関する施策を積極的に推進します。

(地球環境保全に関する国際的協力)

第29条 町は、国、北海道並びに他の地方公共団体、事業者及び町民等と協力し、環境の保全及び創造に関する技術、情報の提供等により、地球環境保全に関する国際協力の推進に努めます。

第4章 環境審議会

(環境審議会)

第30条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、士幌町環境審議会(以下「審議会」といいます。)を置きます。

2 審議会は、町長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議し、意見を述べることができます。

(1) 環境の保全及び創造に関する事項

(2) 公害の防止に関する事項

(3) 自然環境の保全に関する事項

(4) 前3号に掲げるもののほか、環境行政に関する事項

(組織)

第31条 審議会は、委員10人以内をもって組織します。

2 委員は、町民、学識経験者及び町民から応募のあった者の中から町長が委嘱します。

3 委員の任期は、2年とします。ただし、委員が欠けた場合の補充委員の任期は、前任者の残任期間とします。

4 委員の再任は、妨げません。

(会長及び副会長)

第32条 審議会に会長及び副会長を置き、委員が互選します。

2 会長は、審議会を代表し、会務を総理します。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理します。

(会議)

第33条 審議会の会議は、会長が招集し、会議の議長となります。

2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができません。

3 審議会の議事は、出席した委員の過半数で決まり、可否同数のときは、議長が決めます。

(会長への委任)

第34条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定めます。

第5章 補則

(その他)

第35条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定めます。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成19年4月1日から施行します。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に士幌町環境審議会委員である者の任期は、その者が委員に委嘱された日から起算して2年とします。

(士幌町環境審議会設置条例の廃止)

3 士幌町環境審議会設置条例(平成18年条例第4号)は、廃止します。

(士幌町自然環境等保全条例の一部改正)

4 士幌町自然環境等保全条例(平成4年条例第18号)の一部を次のように改正します。

第4条第2項中「士幌町環境審議会設置条例(平成18年条例第4号)第1条に規定する士幌町環境審議会」を「士幌町環境基本条例(平成19年条例第11号)第30条に規定する士幌町環境審議会」に改めます。

士幌町環境基本条例

平成19年3月12日 条例第11号

(平成19年4月1日施行)

体系情報
第8類 生/第8章 環境保全
沿革情報
平成19年3月12日 条例第11号