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十勝で野菜をつくる日々

今西 隆さん、和子さん

無理のない移住生活を目指して

今西隆さんと和子さんは、京都府と士幌町の2拠点生活を送っています。「この年で完全移住はなかなか難しい。2地域拠点という暮らし方は、合っているかもと思って」。完全移住を前提としない士幌町の農園付住宅で、理想と現実を見極めながら、今後の生活を検討中なのだとか。「農園付住宅は家具や家電も付いているところも便利」と生活には満足している様子です。

夏を迎える度、北海道に長期旅行に訪れていたという今西隆さんと和子さん。「北海道の環境が気に入って。観光するよりも、落ち着いて暮らせるところを探していました」という二人は道東や道北を中心に探し、縁あって2年前にオリベ(士幌町のちょっと暮らし体験施設)で3ヵ月間生活。その後農園付住宅へ。「十勝の空は特別きれい。暑いときもあるけれど、一時的なので過ごしやすいです。それから野菜。旅行で訪れていたときも、よく買って帰っていました」。

イベントや日常の暮らしをアルバムに。町からの委託で体験暮らしをする人をサポートする(株)cheers(チアーズ)のスタッフ作。

今西夫妻は、農園付住宅でもさまざまな野菜の栽培を実践中。「大豆、とら豆、栗豆、パンダ豆、モロッコインゲン…」。この夏、どんな作物を植えたのか尋ねたら、和子さんが指折り数えながら教えてくれました。さらに、ジャガイモやカボチャも、それぞれ3種類ほどを育てたそう。思いがけない長雨で畑が水に浸かってしまうハプニングもありましたが、味と収穫量は十分。

農園付住宅で暮らす4世帯で、収穫した野菜の販売会を実施。大切に育てた野菜を誰かに喜んでもらえるのは、とてもうれしい瞬間です。ただし、落花生はちょっと失敗。「京都で発芽させたものをこちらに持って来たのだけれど、日照不足だったのか育たなくて。難しいね」と言いながらも、目を細めます。

2人は、地域の果樹圃場を管理する「元樹(げんき)の会」の会員でもあります。ハスカップ狩り体験を主催したり、道の駅内の加工場でジャム作りに取り組んだりと、暮らしを存分に楽しんでいる様子。遠くから憧れていただけでは得られなかった、かけがえのない日々を過ごしています。

農園付住宅の仲間と実施した野菜の販売会の様子。(写真提供/(株)cheers)