士幌町をもっと元気に! 地域おこし協力隊が活躍!!

士幌町で活躍している地域おこし協力隊。現在2019年に入隊した2名の協力隊員が、士幌町の活性化を目的に活躍しています。その活動内容や士幌での生活についてインタビューしてみました!

地域おこし協力隊のタマダさんとコモダさん

(左)玉田 夏菜(たまだかな)さん

2019年4月入隊。北海道出身。大学卒業後まちづくりの仕事を志望していたところ、士幌町の地域おこし協力隊の仕事を見つけ、応募。社会人1年生。

(右)古茂田 紫乃(こもだしの)さん

2019年6月入隊。北海道出身。4年間民間企業で営業職を経験後、青年海外協力隊としてザンビアで稲作の普及活動を行う。日本で働く海外の方々の支援をしたいと応募した。

地域おこし協力隊に入る前はどんな活動・仕事をしてきましたか?

玉田:

私は関西大学に進学し、まちづくりを専攻していました。大学3~4年にかけて京都府の八幡市のまちづくりについて研究していました。八幡市はベッドタウンとしての位置づけの町で、どうやったらもっと町が元気になるのかを考え、若い人たちに参加してもらえるまちづくりを提案しました。

まちづくりに関わる仕事をしたいなと思っていたところ、友人の紹介もあって、農業インターンシップに関わる士幌町の地域おこし協力隊を募集していると知り、入隊に至りました。

古茂田:

新卒で(株)リクルート北海道じゃらんに入社し、「観光で北海道を元気にする!」というスローガンのもと、4年間営業職を経験させていただきました。長年の目標だった青年海外協力隊への応募を機に退職し、アフリカのザンビア共和国で2年間、小規模農家の収入向上のため、稲作の普及に携わりました。ザンビアの人たちから見れば私も当然外国人なのですが、そんな私に対しても彼らはとても良くしてくれて…大変なこともありましたが、ザンビアの人たちの思いやりのおかげで2年間を楽しく終えることができたと思っています。

そんな立場だからこそ、帰国後は「外国人技能実習生」に関わるあまり良くない内容のニュースが気になってしまって…せっかく日本に来てくれたからには、第二の故郷に思えるような思い出を作ってほしいなと思い、実習生のサポートに関わる任務を募集していた士幌町の地域おこし協力隊に応募しました。

隊員が話し合っている様子

実際に、これまでどのような仕事に携わってきましたか?

古茂田:

私の任務の1つに、士幌高校との連携業務がありました。士幌町では2002年からシーベリーという栄養価の高い小果樹の定植がはじまり、近年では町の特産品の1つとして、高校生が考案した加工品の開発や販売がされています。

また、士幌町と同じくシーベリーを地域資源として持つキルギス共和国との交流が昨年から始まっており、士幌高校とキルギスの農業高校の生徒同士のSkype交流のサポートや、士幌の道の駅で開催されたシーベリーPRイベントの協力等を行ってきました。

玉田:

古茂田さんと私で、9月に農業インターンシップの企画を実施しました。7泊8日のプログラムを組んで、母校である関西大学の生徒に来てもらいました。大学でプレゼンをするなど募集をかけて、10名の学生さんが士幌町に来てくれました。学生たちには、畑作、酪農、畜産の現場をそれぞれ見学してもらったり、機械に乗って芋掘りの体験をしてもらったり、農協の方のお話を聞いたり。士幌町の農業を体験できるインターンシッププログラムを作り、士幌町の皆様の協力もあって実施することができました。

農業インターンシップは他の地域でも行われていますが、士幌町ならではのインターンシップにしたいなとひたすらに考えていました。では、何が士幌らしいのかなとインターンシップ中も悩んでいると学生の方から「士幌町では生産から加工・流通、販売まですべてがそろっている。」という言葉を受けて、改めて士幌町らしさを発見することができました。
インターンシップでは、生産現場を見てもらうのはもちろんですが、加工現場でもあるよつ葉乳業(注:十勝に生産工場を持つ乳業メーカー)の見学や、しほろキッチンで士幌町の原材料を使ったパンやソーセージ作り体験をしました。

古茂田:

ヨーグルトの加工からカフェの営業までと、まさに6次産業化を体現していらっしゃる町内の牧場にもお邪魔したり、畜産農家のご協力のもと、牛のお世話や牛舎の掃除をした後に、牛のすぐ近くで「しほろ牛」をBBQしてみんなで食べたりと…食育の観点でも、大学生たちがそれぞれ考えさせられるプログラムになってのではないかと思います。

牛舎での集合写真

これからの活動についてはいかがですか?

古茂田:

高校との連携業務を続けながら、外国人技能実習生のサポート業務についても、調査や交流会などの企画を進めていく予定です。受け入れ農家と実習生のもとへ直接足を運び、インタビュー形式で調査をして、ニーズに合わせた企画が出来たらいいなと思います。

仮装盆踊りやしほろ牛祭りなどなど…士幌は夏から秋にかけて町内の楽しいイベントが盛りだくさんなので、まずはそういった機会に実習生と町民が交流できる場を作りたいです。

玉田:

農業インターンシップを経験した学生さんからは、普段関わることのできない職種であったのでとても貴重な体験ができた、という声や、もう少し前に知っていたら卒業後の選択肢にも入ったかも、という言葉をいただき、手応えを感じました。もちろん来年度も実施したいですし、募集の幅も広げていきたいと思っています。

協力隊に入隊してみて、士幌町の印象は変わりましたか?

古茂田:

私は今の実家が豪雪地帯の旭川にあるので、冬に青空がこんなに見られるのには驚きました。まさに「十勝晴れ」ですね。ヌプカの山々もきれいなので、ちょっとむしゃくしゃすることがあっても「まあいっか。」と思えるくらい、毎日景色に癒されています。

玉田:

車があれば、どこでも行けますね。ただ、雪道の運転は付きものなので、どういう車を購入したらよいかは、調べたり人に聞いてみたりすると良いかもしれません。

古茂田:

私はマイカーがないので、行動範囲が狭まってしまうのは確かですが、徒歩圏内にスーパーなどの生活に必要な施設はありますし、ネット販売なども駆使すればそこまで困ることはないですね。

玉田:

また、士幌町には歴代の協力隊の先輩たちがいて、任期を終えてからも士幌町に残っている人が多いです。私たちより町のことを知っているので、何かあると相談に乗ってくださったりと、心強い存在ですね。

古茂田:

士幌町の方々の印象ですが…ちょうど良い距離感で私たち協力隊と関われるよう、優しく気遣ってくださっているように感じます。相談にも親身になってくれますし、「こういうことをやりたいです!」と声を上げると、耳を傾け協力してくださる方が多く、個人的にとても居心地がいいです。景色が良いのはもちろん、町内の楽しいイベントや、都会では体験できないようなことも日々たくさんあって、何よりいただきもののお野菜とか、食べ物がおいしい…!士幌町に来てよかったです。

玉田:

私は新卒の状態で協力隊に入隊したので、社会人経験がなく士幌町のお役に立てるか不安でしたが、協力隊として考えて動いていく中で出会った農家さんや士幌町役場の方たち、町の方たちに支えられて、あっという間に1年が経とうとしています。今は、役に立つという大それたことではなく、自分にできることを一生懸命行い、できることを一つ一つ増やしていくことが、いずれは町のためになることにつながるのではないかと思って、日々の協力隊としての業務に取り組んでいます。

牛と写真を撮るタマダさんとコモダさん